勇者の育て方を本で勉強する。
当然だが、安静冒険を乗り切り勇者を無事に出産したら、即日、勇者とともに新たに育児冒険に出発せねばならない。
出生後の勇者は、しばらくはHPを回復する間もなかなか与えてくれないため、育児魔法書をのんびり読めるのは今しかない。
初産で、身近に赤ちゃんがいない場合は特に、この時間を利用してイメージを膨らませておくべし。
とはいっても、ガツガツと知識を蓄積させていく必要まではない。
育児冒険は先が長いが、まずは新生児期のミッションをイメージしておけば、後は出産後でもなんとかなる。
ネットで育児情報を収集するよりは、読みやすい育児魔法書から学ぶ方がオススメである。
ネットは基本的に育児の不安の掃き溜めである。
安静冒険だけでも不安だらけなのに、勇者出産後のことまで不安を覚えてしまったら、ストレスが増すばかり。
そこで、かわいい赤ちゃんの写真が多く、簡潔で読みやすい育児魔法書をパラパラと読み流し、
「あかちゃんのいるしあわせなせいかつ」
のイメージを膨らませておいた方が、安静冒険の心の支えを得ることができ、一石二鳥である。
賢者も身の回りに赤ちゃんがいない環境だったため、育児冒険というものに全くイメージがわかなかったものだ。
とりあえずチチやって、オムツかえて、風呂入れて、耳と鼻の掃除をして…
そこからだった。
なお、病院大陸で冒険している者は、この機会に妖精たちに育児冒険のアドバイスを聞いておこう。
勇者出産後は、妖精たちがガッチリサポートしてくれる環境にはなかなか恵まれない。
育児冒険に出たあと、「入院中にもっと話を聞いておけばよかった…。」と少々後悔したものだ。
(当時は妊娠経過ばかりが気になり、出産後のことまでは頭が回らなかったのだが)
今がチャンスである。
「はじめての育児0~3歳 鈴木 洋 西東社」
賢者が安静冒険中から現在まで参考にしている育児本。
写真がやや古臭いが、月齢ごとの赤ちゃんの特徴が簡単にまとめられており見やすい。網羅できている範囲は少ないので、育児冒険の入門編と思って読んでみよう。
安静冒険中に「本当にこんな風になるのかな?」と思って見ていた本の中の赤ちゃんを、勇者アカ坊が追い越して成長していくのが面白い。